平成27年度 高岡産業文化振興基金 奨励事業の認定について

審査日時:平成27年8月26日(水)
審査会場:高岡商工ビル 505号室

1.奨励事業  奨励総額 340万円(内、観光特別枠45万円)  件数 9件

2.審査結果  【奨励額・奨励事業名・申請事業者】


錫材料及び錫合金の抗菌効果の研究

奨励額 90万円

株式会社能作 代表取締役 能作 克治 

[住 所] 高岡市戸出栄町46-1

 実施事業者は、錫及び錫合金鋳物による「曲がる器」を提案する等、デザイン性の高い商品を数多く発表し、海外展開も図り、社名がブランド化するほど知名度が高い。最近では、工芸品に留まらず、医療器具製造への技術開発も手がけるようになった。
 本事業では、自社の研究成果である錫の抗菌性に関する知見を基に錫及び錫合金による医療器具の開発をするものである。具体的には、義歯保管用の錫容器の開発であり、歯周病学が専門の大学教授らと口内細菌に対する錫の抗菌性を検討すると共に、デザイン性を加味した義歯用保管容器の商品化である。本事業の成果は、錫鋳物の可能性を広げる試みであり、高岡地域の活性化に貢献することが期待できる。

     

      ▲入れ歯用抗菌ポット             ▲大腸菌を培養した生理食塩水内に錫片を入れたところ、
                                 著しい抗菌特性を示した
                                 本事業ではその他、Sm菌、Pg菌、カンジダ菌などへの抗
                                 菌効果を試験によりビジブル化し、錫材料の優位性を訴求


お茶・和菓子から始める高岡食文化の再発見「この味、この場所、その心」

奨励額 50万円

株式会社高岡ガスサービス 代表取締役社長 菅野 克志

[住 所] 高岡市内免2-1-43

 この企業は、伝統的建造物群保存地区に指定されている山町筋で、2005年8月より喫茶店「山町茶屋」を運営している。本年8月には、開店10周年に合わせ店舗内装の整備を行い、リニューアルオープンした。
 本事業は、同じ山町筋の老舗菓子店やクラフトショップを巻き込み、リニューアルした山町茶屋を拠点として、高岡の食文化に着目したお茶のたて方・和菓子づくり体験、さらには高岡産食材を使用した新たな食メニュー開発のワークショップ等を継続して行う。また山町茶屋から再発見された「食文化」は県内外へのイベントを通して、広く発信していく。
 これは山町茶屋の店舗コミュニティ機能を強化するものであるとともに、他主体との連携により山町筋の面的な結束力を喚起するものである。こうした文化創造事業によって、地元客の愛着の醸成に加え、観光客へのPR効果も期待できる。

 

     
                       ▲山町筋にある土蔵造りの喫茶店「山町茶屋」

富山大学芸術文化学部/高岡伝統産業青年会コラボレーション作品の商品化

奨励額 45万円

一般社団法人CREP4 代表理事 松原 博

[住 所] 高岡市守山町57-1

 この団体は、大学の学生や伝統産業の職人、まちづくり団体等を繋ぐ「プラットフォーム」となることを目指し、2003年に設立された。高岡のクラフト作品の情報発信や、ものづくり支援、まちづくりイベントの企画・運営等を行っている。
 この事業では、富山大学芸術文化学部の学生と高岡伝統産業青年会の職人が協力しながら“ものづくり”を行うサークル、「クリエイ党」の作品を商品化するものである。学生の柔軟な発想と職人の高度な技術が融合された商品を、販路開拓支援に実績を持つ当団体がPRや販売機能を担うことで、市場に強く訴求できる。合わせてインターネットやクラフトショップでの販売を通して顧客から得たニーズは、随時クリエイ党にフィードバックするとしており、これは市場性を捉えた商品群の充実を促すものである。
 生産から販売までの流通網の構築は、産学連携の取り組みを加速させるものであり、地場産業活性化への貢献が期待できる。

   ▲「クリエイ党」発の作品群(一部)。これら作品を商品化し、ネットや展示会、クラフトショップ等で継続的に販売。


高岡御車山会館内カフェミンピ山町店の新規出店

奨励額 35万円(内、観光特別枠5万円)

株式会社オフィス城東 代表取締役 板庇 裕一

[住 所] 高岡市中川上町8-21

 この企業は、2009年より古城公園前でカフェを経営している。本事業は、本年オープンした高岡御車山会館内へ2店舗目を出店するものである。
 実施事業者は生野菜は全て地元産食材を使用し、また農商工連携による野菜ドレッシングの開発に取り組むなど、独自性のあるメニューを展開している。御車山会館内という立地やターゲットとなる顧客属性を考慮した明確な店舗コンセプトを設定しており、その一環として料理を盛り付ける皿や器には高岡の伝統工芸品を積極的に活用。日々のサービスの中で伝統産業のPRにも努めている。
 今後は、近隣の観光地である金屋町や高岡大仏を巡る観光客用のテイクアウトメニューの開発に取り組むなど、観光客の回遊性の向上にも寄与していく。
 本事業により、御車山会館の来店者の満足度を高めることができ、高岡の観光振興への持続的な貢献が期待できる。

  

          ▲御車山会館内の「カフェミンピ山町店」     ▲地元工芸品を器とした「御車山パフェ」


弊社の塗装技術による「高岡ブランド」クラフト品の開発

  奨励額 30万円

宮越工芸株式会社 代表取締役社長 宮越 一郎

[住 所] 高岡市長慶寺995

 実施事業者は、長年ビル・住宅用アルミ建材製品の焼付塗装を中心に数多くの施工実績を積んできた。本事業は、本業である建材の塗装から自社開発により生まれた特殊塗装「テクニカラー」を用いて、クラフト雑貨品へのデザイン塗装として新たな事業展開を目指すものである。これは従来事業と区別するため、新ブランド名を「Couleur  jouer(クルール ジュエ)」とした。その第一弾としてアルミ製の「カードケース」にはウッディ調や季節を感じさせる色調を、第二弾「コースター」にはウッディ調に加え新デザインの塗装を施した商品を提案した。
 今後は「ペンケース」や「マグネット」等への商品展開を計画している。自社オリジナルの建材用の塗装技術をクラフト品に応用する新たな地域ブランド化や高岡観光のお土産品事業として期待できる

        

                ▲自社の塗装技術を活かしたクラフト雑貨ブランド「Couleur  jouer」。
                 本事業ではこのブランドのさらなる商品群の拡充を行う。


地理的優位性と、集団化の強みを生かした「産業観光」への取り組み

  奨励額 30万円

高岡銅器団地協同組合(理事長 藤田 益一)

[住 所] 高岡市戸出栄町43-1

 本事業は、新高岡駅や高岡砺波スマートインターから車で10分でアクセスできるという地理的優位性と、分業化された高岡銅器の工程をワンストップで見学できるという集団化の強みを活かし、産業観光拠点として銅器団地組合の機能強化を図るものである。
 具体的には、組合員の事業所の空きスペースを利用し、鋳物体験ができるよう整備するとともに、高岡の職人技術を紹介するDVDを制作し、鑑賞してもらう。また本事業を嚆矢として、将来的には3Dプリンター導入による原型製作、組合としてのショールーム開設、鋳物体験キャンプの実施など、ハード・ソフト両面で産業観光の取り組みを促進したいという。
 本事業は、産業観光の振興に繋がることはもとより、地場産業技術の認知度や消費者との関係性の向上に資するものであり、伝統産業業界の再興の一助となることが期待できる。

   

            ▲団地の地理的優位性を活かし、高岡銅器の技術紹介や鋳物体験を実施することで、
              産業観光客の受け入れ体制を強化


アルミ素材を用いたアウトドア用陶器風新食器ブランド開発事業

  奨励額 20万円

株式会社礪波商店 代表取締役社長 礪波 俊吉

[住 所] 高岡市問屋町75

 本事業は、自社開発した陶器の質感と色調を有するアルミ製食器(陶器調アルミ製新食器、商品名「アルミック」)をアウトドア仕様にするための試作・デザイン開発を行い、新ブランド化による市場開拓を目指すものである。
 「アルミック」は、陶器の質感を出すためのアルミ砂型鋳造方法と取扱が困難な造形砂の一つである「肌砂」の最適な組み合わせにより製造されたアルミ鋳造品にアクリル系樹脂耐熱塗料の多層塗装技法により製造されるオリジナル商品である。
 アウトドアにおける食事スタイルの日常化や高級志向化のニーズを捉え、陶器風の高級質感を持つタンブラーや皿を試作し、ギフト及びデザイン関係の展示会への出展やアウトドア関連商品を扱う大手量販店への提案を計画するなど地域産業であるアルミ産業への貢献も期待される。

       

              ▲「アウトドア用アルミック」のイメージ      ▲従来の陶器風アルミ製タンブラー「アルミック」

高岡大仏周辺観光客停留・回遊促進拠点づくり事業〜大仏茶屋がつくるご利益賑わいエリア〜

  観光特別枠 20万円

大仏茶屋 代表 沢田 真弓

[住 所] 高岡市定塚町1200

 本事業は、本年8月末より大仏前通りにてお休み処「大仏茶屋」を開設するものである。飲み物や軽食、厳選した土産品を提供するとともに、申請者の旅行会社での添乗員経験を活かし、観光客のガイド案内や旅行企画を行う拠点として本店舗を整備する。
 近隣には高岡大仏に加え、古城公園や山町筋など多くの観光資源があり、当店がお休み処として魅力ある飲食物や土産品の販売を行い、さらに観光案内所の機能を果たしていくことは、観光客のニーズから考えても意義がある。今後もオリジナル商品やサービスの開発、イベント企画を行い、ネットワークを活かした旅行会社へのPRに努めていくことで、安定的な収益性を確保したいとしている。
 本事業により、観光客の滞在時間の伸長に繋+がり、観光振興への寄与が期待できる。 

      

                   ▲大仏茶屋外観             ▲大仏茶屋店内写真


味噌・醤油・麹販売店(通称・醸造・紀乃井)の店舗改装と拡充

  観光特別枠 20万円

林商店(醸造・紀乃井) 代表 林 紀彰 

[住 所] 高岡市神主町6

 当店は、明治19年に創業し、瑞龍寺前の店舗で味噌やかぶら寿司、味噌ソフトクリームの販売などを行っている。本事業は、現在の店舗を約3〜4倍に拡張し、休憩所の設置や土産品及び飲食店舗の拡充といった観光客からの要望に応えるものである。
 既存店舗部分は無料休憩所に改装し、飲料水や味噌汁を提供する。また、大幅に拡張される飲食・土産品スペースでは、現在の主力商品である味噌ソフトの販売などに加え、肉や魚など地元産食材の味噌漬けなど、他社との共同による独自商品の開発も進めることで、商業機能を大きく強化していく。
 こうした取り組みは、瑞龍寺近辺を訪れる観光客のニーズを充足するものであり、高岡の観光振興への貢献が期待できる。

    

   ▲無料休憩所の設置や土産品販売スペースの拡充    ▲改装予定の現在の母屋


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