工芸都市高岡2003クラフトコンペティション 金賞/生活者が選ぶクラフト賞

ど ん

笹浦 裕一朗/石川県山中町

 
椀・盆・箸という日本の食の基本形を踏まえながら、今の食卓風景を創出した、若い作り手ならではの感性が光る器揃えである。漆塗りの伝統性に一線を画し、良質な塗料として、軽やかな漆の扱いが見事である。とりわけ、木目を生かし弁柄色に仕上げられた「どんぶり」のシャレ感とフォルムの安定感が際立っている。麺類をこよなく愛するこの国の人たちに、もう一度、木の器で味わうことを思いかえさせてくれる、良い道具としての発見があった。

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