「水恵・水景」とやまに向けて、川を生かした街づくりを考える。
かつて、神通川は富山市磯部のあたりで大きく東側に湾曲しており、そのため富山市は頻繁に洪水の被害を受けていました。明治になってから、それを食い止めるため、湾曲した部分を直線化したのが「馳越線工事(※)」で、今年はその完成からちょうど100年目にあたります。これを記念し、去る9月19日〜23日には、川を生かした街づくりを考えるイベント「リバーフェスタinとやま2003」(以下「リバーフェスタ」という)が開催され、国際フォーラムやライブ、散策ツアーなどに多くの人々が参加しました。
富山市は、佐々成政の頃からも洪水と闘い続けてきた街ですが、一方では水の恵みも受けて発展してきた街でもあります。この100周年の節目を機に、川と人との関わりや、川を生かした産業の活性化について考えてみませんか?
(※「馳越」とは「山から馳せてきた川の水が堤防を越すところ」という意味。)
「リバーフェスタ とやま2003」を終えて「誰がこんなに美しいリバーウォークを作ろうと思い付いたのか」。これが私の最初の印象でした。サン・アントニオ市は、川をうまく活用したリバーフロント開発の成功例として世界的に有名ですが、街の中心部のリバーウォーク沿いにはホテル、コンベンションセンター、オープンカフェなどが並び、それらを結ぶ遊覧船からは美しい街並みやクルージングなどを楽しむことができます。観光客を楽しませる工夫も見られ、心地よい環境が保たれています。富山市のこれからの街づくりを考えるうえで、サン・アントニオ市に学ぶことが多いと思います。「川と街づくり国際フォーラム」 実行委員会 事務局長 中村 孝一
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水辺空間を生かした街づくりへ「リバーフェスタ in とやま2003」では「川と街づくり」をテーマにパネルディスカッションが開かれ、「水の都・とやま」の今後の可能性や具体的な提案について様々な意見が交換されました。ついてはその概要をご紹介します。
●司会者 渡邊 明次氏(関東学院大学教授)
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