特集
楽しみながら、カラダを鍛えよう
−あしたへの元気は、健康づくりから。

富山市体育協会の取り組み

　富山市体育協会は競技スポーツ団体・地域スポーツ団体・健康スポーツ団体・学校体育団体など市内の１２５団体を統括しています。また、富山市総合体育館をはじめとした４５の施設の管理・運営を行っており、なかでも環水公園のそばにある総合体育館は、２つのアリーナやフィットネスルーム、ボクシングルーム、弓道場、ランニングコースなどが整備された施設となっています。

　同協会では市民が生涯にわたってスポーツに親しめるよう、個々の健康・体力レベルに応じた事業を展開。中高年向けの健康スポーツとしては、大きな３つの事業があります。メタボリックシンドローム対策事業、ストレッチングや腹式呼吸を実践する遊悠元気運動事業、そしてウオーキング事業です。

メタボ脱出プログラムで変える、生活習慣。

　総合体育館で行われている「メタボ脱出プログラム」は、健康診断などでメタボリックシンドローム（メタボ）と診断されたり、メタボの予防として生活習慣を見直したい方のプログラムです。内臓脂肪が蓄積したまま放置していると、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などの危険性が高まります。３カ月間、週１回、１０回のプログラムで、スポーツ指導員や管理栄養士、看護師などプロの健康アドバイスを受けながら、それぞれの目標に向かってトレーニングや食事改善を実践していきます。これまでにかなりの成果を上げた方もいらっしゃいます。このプログラムをきっかけに、自分の生活習慣を客観的な立場で見直すことで、あたらしい意識づけができるよう工夫されています。

体成分測定装置で、筋肉や脂肪量が明らかに。

　また、自分の身体の現状を調べるために、InBody（インボディ）という、最新の体成分測定装置で骨格筋量・内臓脂肪レベル・筋肉バランスなどを細かくチェックすることができます。これは県内にはまだ２台しかないという機械で、約２分間、服を着たままの状態で、身体の中の情報を簡単に把握することができます。筋肉や脂肪量が数値化されることで、メタボ改善の目標設定が具体的になるメリットがあります。また、トレーニングするたびに数値が改善されていくのがわかることで大きな励みになり、とても好評です。

　そして、メタボの方だけでなく、これから運動をはじめたい方や競技者の方にも自分の現状を把握できる有効な装置です。事前に予約が必要ですが、測定後に指導員の方に詳しく説明してもらうことができるとあって、かなり人気となっています。みなさんも、ぜひ一度、試してみませんか。

　

元気に活動できる行動体力をつけよう。

　体力には、防衛体力と、行動体力があります。防衛体力とは、病気を早く直したり、ウイルスに負けない免疫力などのこと。そして、行動体力とは、ストレス社会の中で生き抜く力、現状に負けないで頑張ろうとする現代社会を乗り切るために最低限必要なものです。運動などで新陳代謝をあげて、大いに食べて大いにエネルギーを発散することで気力・体力が充実し、現状を乗り切る力が生まれてきます。　

　また、老化とともに体内組織の水分量が減り、身体は縮もうとしていきます。老化を防ぐことはできませんが、適度な運動で、老化のスピードを緩やかにして若々しさを保つことができるのです。

遊悠元気塾で、基本運動を

　しかし、急にスポーツを始めると、筋肉や関節を傷めてしまったりと、マイナス面もあります。そこで、体育協会では、筋力・柔軟性・腹式呼吸などで全身をバランスよく整える「遊悠元気運動」に力を入れています。やりたいことが自分でできる、元気で自立した８０歳を迎えるために作った中高年向けの運動プログラムです。スポーツ指導員の数土さんは呼吸とストレッチの重要性を語っておられます。

　「まず腹式呼吸を行ない、身体と心の状態を整え、ストレッチングで身体のいろいろな部分を伸ばしてあげます。私たちの身体は放っておくと、どんどん縮もう、縮もうとしていきます。背中がまがったり、高齢になると身体がこわばるのは、縮む方が楽だから。それは自然な流れなんですが、やはり身体を伸ばす、つまり筋肉を伸ばすことがとても大事です」。

　ストレッチをして、筋肉に酸素をたくさん取り込むことによって、動きのいい筋肉、しなやかな筋肉になっていきます。一番大事な基本運動で身体を整え、ここをスタートにしていろんな運動に挑戦していくのが無理なく、ケガなくできる方法です。

　「筋力は年齢に関係なく向上していきます。やればやっただけ効果や成果がでますので、できるだけ早いうちから取り組んで元気な８０歳を迎えていただけるといいですね。スポーツのためだけではなく、積極的に外に出掛けられるようになったりという、生活の質の向上を目標にプログラムを作成しています」。


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