会報「商工とやま」平成27年1月号

新年挨拶

年頭のごあいさつ

  富山市長   森 雅 志


 平成27年の年頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 日ごろ、富山商工会議所役員並びに会員の皆様方には、地域経済の振興や観光事業の推進などを通して、魅力ある地域社会づくりに多大なご尽力をいただいておりますことに対し、深く敬意と感謝の意を表します。

 我が国の経済状況は、過度な円高が修正され、輸出関連産業を中心に業績の持ち直し傾向が見られる一方、昨年4月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減が景気を下押しし、内閣府が発表したGDP速報値では、2四半期連続のマイナス成長となるなど、デフレ脱却を確実にするための経済対策が急務となっております。

 一方、地方都市においては、長期の人口動態を見据えた国のあり方や国家戦略を検討する「日本創生会議」が、地方の危機的な人口減少等について推計・提言したように、このまま手をこまねいていては加速度的に衰退していく地域が増えることが予想されています。

 このことから、地方都市が今後も一定程度の人口を維持していくためには、教育、文化、福祉など総合的な水準を高めながら、安定した雇用を確保していくことが何よりも重要であると考えております。

 このような中、皆様方が、地域社会の中心的存在として「活力ある産業づくり、住みよく魅力あるまちづくり、心豊かな人づくり」に、一丸となって積極的に取り組まれておりますことは、誠に心強い限りです。

 とりわけ、地域経済を支える中小企業者の育成・支援はもちろんのこと、就労支援や公共交通を活かしたまちづくり、中心市街地の活性化の推進や富山の魅力を再発見し情報発信する観光事業など、幅広い分野でご協力いただいておりますことに改めて感謝申し上げます。

 市といたしましても、景気の動向を的確に見極めながら、地域経済の活性化に寄与する施策を推進する一方、3月14日の北陸新幹線の開業を見据えた富山駅周辺地区の南北一体的なまちづくりや、第二期中心市街地活性化基本計画の推進を継続してまいります。

 さらには、昨年9月に、「環境未来都市」や「環境モデル都市」としてこれまで取り組んできた実績や、将来的にエネルギーの効率の改善が期待できる点などが評価され、国連より「エネルギー効率改善都市」に国内で唯一選定されたことから、環境や超高齢社会への対応においても先進的な取り組みを行うこととしております。

 また、市民福祉の向上や、産業、環境、文化、教育水準も含めたまちの総合力を高め、多くの方々から「訪れてみたい」、「住んでみたい」と思われるような、誰からも選ばれる魅力ある富山市となるよう努めてまいりますので、皆様方には、今後ともご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 終わりに、今年一年が明るい年となりますよう祈念いたしますとともに、富山商工会議所のますますのご発展と、木会頭をはじめ役員並びに会員の皆様方の一層のご健勝、ご活躍を心からお祈りいたしまして、新年のあいさつといたします。

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