会報「商工とやま」平成27年1月号

年頭所感

北陸新幹線開業を機に地域経済の活性化に取り組む

  富山商工会議所  会頭  木 繁 雄


 平成27年の新春を迎えるにあたり、謹んで新年のお慶びを申し上げますとともに、会員の皆様のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます。

 さて、いよいよ本年3月14日に念願の北陸新幹線が開業いたします。

 北陸新幹線は富山―東京間を最速2時間8分で結び、首都圏や沿線各地との往来が画期的に便利になり、交流人口の大幅な増加が期待される一方で、企業間や地域都市間の激しい競争が予想され、沿線地域全体に大きな変化をもたらす100年に1度の大事業であります。

 これを大きなチャンスと捉え、待ちの姿勢ではなく、「攻め」の意識を持ち、この大規模インフラを活かす施策が必要であります。富山商工会議所は5年後、10年後を見据え、北陸新幹線開業後の都市間競争に打ち勝っていくための事業に積極的に取り組んでまいります。

 このような状況を踏まえまして、当所は地域の総合経済団体としての使命である「地域商工業の発展と社会福祉の増進」の原点に立ち返り、地域の中小・小規模企業支援を第一に位置付け、行政機関や各関係団体と連携を深め、経営革新の推進や雇用の創出・拡大など、活力ある地域社会の創造に向けて全力で行動してまいりたいと考えております。

 地域の中小企業の皆様が直面する経営の諸課題に対しては、当所経営指導員と中小企業診断士などの専門家とのチーム編成により、各分野の相談支援体制を強化し、小規模企業等への巡回訪問も徹底し、よりきめ細やかな経営相談を行ってまいります。

 また、「ジョブカード制度事業」を継続実施し、実践的な能力を身に着けた就業希望者の正規雇用を図ろうとする意欲ある中小・小規模企業の支援に取り組んでまいります。これまでにも増して講習会や研修講座の充実、商工会議所の各種検定試験の普及促進にも努め、会員企業をはじめとする県内中小企業の人材確保や育成を積極的に支援してまいりたいと考えております。

 会員交流・ビジネスマッチング事業では、今年3月に北陸三県の商工会議所、商工会の会員が参加できる事前予約型商談会「とやまビジネスドラフト」に、上越、長野をはじめ上田、高崎など北陸新幹線沿線の各商工会議所へ特別参加を呼びかけて富山市で開催いたします。

 また、県内はもとより、北陸新幹線沿線の商工会議所や飛騨、高山地域とも連携を強化し、会員企業のビジネスチャンス拡大や広域な産業観光の充実を図ってまいります。

 当所は、富山県、富山市をはじめ行政当局とも連携を一層深めながら、スピード感を持って地域経済の活性化に取り組んでまいります。こうした地道な努力の積み重ねが真の「地方創生」につながるものと考えており、今後とも一層のご支援ご協力をお願い申し上げます。

 最後になりますが、新しい年が会員の皆様ならびに関係各位にとりまして希望に満ちた飛躍の年となりますことをお祈り申し上げまして、私の年頭の挨拶といたします。

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