会報「商工とやま」平成28年1月号

年頭所感

広域連携の強化と中小・小規模企業の伴走型支援に取り組む

　　富山商工会議所　　会頭　髙　木　繁　雄

　平成２８年の新春を迎えるにあたり、謹んで新年のお慶びを申し上げますとともに、会員の皆様のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます。

　さて、念願の北陸新幹線が富山・金沢まで延伸開業してから、早１０ヵ月が過ぎようとしております。この間、関東方面のみならず、全国各地さらには海外からも順調に交流人口が増加しており、予想を大きく超える経済効果をもたらしております。この効果を持続させるために、当所は様々な取り組みを行ってまいりました。

　昨年９月に、北陸新幹線の大阪までのフル規格による早期全線整備に向け連携を深めていくことなどを目的に、北陸三県と関西２府２県の商工会議所（富山、金沢、福井、大津、京都、大阪、神戸）で「北陸・関西連携会議」を設置しました。これにより、高崎、長野、上越をはじめとした北陸新幹線沿線地域と最終目的地の関西が、北陸を軸として結ばれる形となり、北陸新幹線などのインフラ整備をはじめ観光振興や販路開拓などを促進するため、今後とも連携を密にしてまいりたいと考えております。

　当所は、平成２６年度から県内全ての商工会議所と連携し、「産業」「文化」「大自然」と、それを結ぶ「公共交通」を柱として、ものづくり富山の特徴を活かした新しい産業観光を推進してまいりました。この取り組みが評価され、「平成２７年度全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」を受賞いたしました。日本海側随一のものづくり県として、この産業観光をさらに深化、発展させてまいります。

　また、当所が作成した「経営発達支援計画」が、昨年１１月に経済産業大臣の認可を受けました。地域の総合経済団体としての使命である「地域商工業の発展と社会福祉の増進」の原点に立ち返り、地域の小規模企業の伴走型支援を第一に位置付け、行政機関や各関係団体と連携を深め、創業や経営革新の推進、雇用の創出・拡大など、活力ある地域社会の創造に向けて全力で行動してまいります。

　すでに、我が国は人口減少時代に突入し、少子高齢化、労働力不足など様々な課題に直面しております。こういった状況のなか、当所は「ジョブカード制度事業」を継続実施して、実践的な能力を身に着けた就業希望者の正規雇用化を支援するほか、これまでにも増して講習会や研修講座の充実、商工会議所の各種検定試験の普及促進にも努め、会員企業をはじめとする県内中小企業の人材確保や育成を積極的に支援してまいりたいと考えております。

　会員交流・ビジネスマッチング事業では、今年３月に北陸三県の商工会議所、商工会の会員が参加できる事前予約型商談会「とやまビジネスドラフト」に、上越、長野をはじめ北陸新幹線沿線の各商工会議所に加え、関西４地区の商工会議所へも特別参加を呼びかけて富山市で開催いたします。

　当所は、富山県、富山市をはじめとする行政当局、さらには富山大学や農林水産団体等とも連携を一層深めながら、危機感を持って地域経済の活性化に取り組んでまいります。こうした地道な努力の積み重ねが｢地方創生｣の原動力になると考えており、今後とも一層のご支援ご協力をお願い申し上げます。

　最後になりますが、新しい年が会員の皆様ならびに関係各位にとりまして希望に満ちた飛躍の年となりますことをお祈り申し上げまして、私の年頭の挨拶といたします。

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会報「商工とやま」平成28年1月号

年頭所感 広域連携の強化と中小・小規模企業の伴走型支援に取り組む 富山商工会議所 会頭 髙 木 繁 雄

年頭所感

広域連携の強化と中小・小規模企業の伴走型支援に取り組む

　　富山商工会議所　　会頭　髙　木　繁　雄