「商工とやま」H15年1月号

世界最高の晴れ舞台に立つ

田中耕一さん、ノーベル化学賞受賞おめでとうございます


 2002年ノーベル賞授賞式が12月10日(日本時間では11日)スウェーデン・ストックホルム市のコンサートホールで開催され、富山市出身で化学賞の田中耕一さんと東大名誉教授で物理学賞の小柴昌俊さんらに、スウェーデン・カール16世グスタフ国王からメダルと賞状が贈呈された。日本人のノーベル賞受賞者は、00年の白川英樹さん、01年の野依良治さんに続き3年連続、12人となった。

田中さんが名誉県民、名誉市民に

 富山県は、田中耕一さんがノーベル化学賞を受賞したことを受け、12月11日に開催された県議会本会議において、田中耕一さんを『名誉県民』第1号に選定することを決定した。田中さんには、名誉県民の称号記と副賞が贈られるほか、県が主催する式典等に招待される。
 また、富山市も名誉市民推薦委員会(会長/八嶋当所会頭)の答申を受け、12月18日に開催された12月定例市議会の同意を得て田中さんを『名誉市民』にすることを決定した。答申した八嶋会長は「今回の田中さんのノーベル賞受賞は子供や市民に夢と元気を与えた。また、富山市のPRに貢献いただいた」と推薦理由を語った。
 贈呈式は何れも3月2日に富山国際会議場で行われる予定。


国道41号は「ノーベル賞」の宝庫

 富山市と名古屋市を結ぶ「国道41号」が「ノーベル街道」として注目を集めている。今までノーベル賞を受賞した日本人12名のうち5名が、この「国道41号」沿線地域にゆかりがある。
 まず、今回ノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんは、高校を卒業するまでの18年間「富山市」で過ごした。この富山市に隣接する「大沢野町」には、1987年に生理学・医学賞を受賞した利根川進氏(米マサチューセッツ工科大学教授)が、小学1年から中学1年まで暮らした。
 岐阜県の「神岡町」には、今回物理学賞を受賞した小柴昌俊さんがニュートリノの観測に成功した研究施設「カミオカンデ」がある。また、神岡町から少し南の「高山市」には2000年に化学賞を受賞した白川英樹さんが、小学3年から高校3年まで過ごした。
 この「国道41号」の富山〜高山間はブリ街道とも呼ばれており、江戸時代、富山湾で水揚げされた出世魚”鰤“を高山や松本に運ぶための街道として盛んに利用された。
 そして「名古屋市」には2001年に化学賞を受賞した野依良治さんが教鞭をとる名古屋大学がある。
 今後、この「国道41号」は18:36 2003/01/06、41(よい)だけに語呂も良く、平成の「出世街道」として、話題を呼びそうである。


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