「商工とやま」H15年4月号

TOYAMAスケッチ


3/2(日) 田中耕一さん
     『名誉県民・名誉市民』に



 昨年12月にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さん(富山市新川原町出身)への富山県名誉県民及び富山市名誉市民の称号の贈呈式が3月2日(日)午前11時より富山国際会議場メインホールで行われ、一般公募などで選ばれた県・市民約800名が参加した。
 式では桐朋学園カルテット・プリマの祝賀演奏の後、中沖豊富山県知事及び森雅志富山市長が挨拶。引き続き、中沖県知事から名誉県民称号記と副賞の金杯、名誉県民章のバッジ、森市長から名誉市民証と名誉市民章のメダル、副賞として富山ガラス工房制作のガラス作品「宇宙卵」が贈られた。名誉県民は初、名誉市民は8人目の受章となる(下記参照)。
 挨拶した田中氏は、パソコンの画面を会場のスクリーンに映し、ノーベル化学賞を受賞する理由となった「ソフトレーザー脱離イオン化法」を分かりやすく説明した。その中で「富山(田舎)は、自然がたくさんあり、好奇心や創造性を引き出してくれます。富山は私にとって永遠の故郷。みなさん、富山に自信を持ち、富山の良さを育ててください」と郷土・富山への想いを熱く語った。

■ 培ったノウハウを富山の薬・バイオに

 引き続き、富山全日空ホテルで開催された「ふるさととやま合同祝賀会」には、富山市名誉市民推薦委員長の八嶋健三当所会頭、名誉県民選考委員長の山田圭蔵北経連会長ら約300名が参加した。
 八嶋会頭は「今まで培ったノウハウを富山のバイオに生かしていただきたい」と祝辞を述べた。田中氏は「バイオや薬などの研究に従事する富山の学生や研究者と一緒にアイデアを出し合いながら、富山の産業振興に貢献したい」と挨拶した。


 

■富山市名誉市民…富山市では、市民や市に縁りがあり、社会文化や公共福祉に大きく貢献し、市民に尊敬されている方に 「富山市名誉市民」の称号を贈り、その功績を称えている。

今までに「富山市名誉市民」を受章された皆さん
受章者名受章理由
山田 孝雄氏  独学による文法研究で、大著「日本文法論」を完成させるなど、我が国の国語学の権威として学界の発展に大きく貢献。 昭和32年には文化勲章を受章された。(S32.11. 3推載)
黒田善太郎氏 コクヨ鰍フ創設者として、日本経済の発展に尽力するとともに、富山大学の講堂や学校への寄附など、 教育文化の発展に貢献した。(S36. 3.29推載)
馬場 はる氏 海運業等の事業発展に尽くすとともに、旧制富山高校の創設にあたり寄附を行うなど、 教育事業や公共事業の発展に貢献した。(S36. 3.29推載)
中田清兵衛氏 竃k陸銀行の創設者並びに初代頭取として、永年にわたり、産業経済の振興、 発展に尽力するとともに教育や文化の発展に貢献した。(S40.12.18推載)
井村 荒喜氏 兜s二越の創設者として、日本経済の発展に尽力するとともに、 学校や病院を設立するなど、教育や福祉の発展に貢献した。(S45. 3.16推載)
佐伯 宗義氏 富山地方鉄道鰍フ創設者として、県内の交通機関の整備促進や観光開発に尽力するとともに、 衆議院議員として国政の発展と地方自治の進展に貢献した。(S54.11. 3推載)
大島 文雄氏 富山大学等を通じて、万葉集などの国文学の研究に大きな足跡を残したほか、県内学校の校歌を数多く作詞し、 青少年の情操涵養に貢献した。(S54.11. 3推載)
田中 耕一氏 タンパク質やDNA等の生体高分子の同定及び構造解析で、 レーザーを当て効率的に分析する手法を開発し、43歳という若さでノーベル化学賞を受賞した。(H15. 3. 2推載)


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