平成14年11月号

佐々成政隊がゆく(5)

成政征伐の拠点「白鳥城」


 天正12年(1584)暮れ、佐々成政は、浜松城の徳川家康に羽柴秀吉討伐を謀るため、厳冬の北アルプスを越えたが、結局は家康を説得することができなかった。

 これを知った秀吉は、自分に歯向かう成政を征伐するため、また、家康との糸を断ち切るため、天正13年(1585)、金沢の前田利家を案内役に、10万の軍勢を率いて、越中に侵攻した。途中、小杉町の黒河山(太閤秀吉を記念し後に「太閤山」に改称)で休憩をとり、富山城を見下ろすことができる呉羽丘陵山頂の山城・白鳥城に本陣を置いた。

 あわせて、秀吉は富山城の南方に安田城(現・婦中町)を築くなど、成政を完全に包囲し、孤立させた。

 秀吉の大軍を目の当たりにした成政は、勝ち目のないことを悟り、民衆を再び悲惨な戦さに巻き込まないよう、秀吉に降伏を申し出た。

 城山スカイライン沿いには現在、「白鳥城址」を記念した大きな石碑が立つ。ここから、白鳥城址(本丸)に向けて、展望台や歩道などが整備され、市民の散策コースとなっているほか、近くには富山勤労総合福祉センター(呉羽ハイツ)や富山ガラス工房、富山市ファミリーパークなどがあり、市民や行楽客で賑わう。

「白鳥城」富山市城山/JR富山駅から呉羽ハイツ行きバス25分、呉羽ハイツ下車、徒歩2分
「安田城」婦中町安田/JR富山駅から富山医薬大行きバス20分、新安田下車、徒歩10分


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