会報「商工とやま」平成25年1月号

年頭所感

変化をチャンスと捉え、 より元気で活力ある富山を創造する

  富山商工会議所   会 頭 犬島 伸一郎


 平成25年の新春を迎えるにあたり、謹んで新年のお慶びを申し上げますとともに、会員の皆様のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます。

 昨年のわが国の経済は、一昨年の東日本大震災以後、復興需要などに後押しされ好転しつつあったものの、海外経済の減速による円高の継続や生産拠点の海外シフトの加速に加え、近隣諸国との外交や経済関係の悪化、貿易収支の赤字拡大など、次々と起こる難題に直面してきました。

 富山地域は、県内の有効求人倍率が全国平均を上回る状況が続いており、医薬品関連は比較的堅調に推移したものの、全体的には明るい兆しは感じられず、今なお、地域経済は厳しい状況が続いております。

 このような状況を踏まえて、富山商工会議所は地域の総合経済団体としての使命である「地域商工業の発展と社会福祉の増進」の原点に立ち返り、必死に頑張っている地元中小・小規模企業の方々の声に耳を傾け、共に悩み、知恵を出し、行政機関や各関係団体と連携を深めながら、経営革新の推進や雇用の創出・拡大など、活力ある地域社会の創造に向けて全力を尽くして行動してまいりたいと考えております。本年3月には「中小企業金融円滑化法」が終了期限を迎えるなど、地域の中小企業の皆様が直面する経営の諸課題に対しては、当所経営指導員と中小企業診断士などの専門家とのチーム編成により、経営、金融、税務、労務、法律などの相談支援体制を強化すると共に、小規模企業等への巡回訪問を徹底し、きめ細やかな経営相談を行ってまいります。

 また、企業の人材確保や育成では、富山県の「県内企業人材育成モデル推進事業」を継続して受託し、新規学卒未内定者などを正規雇用につなげる事業に取り組むほか、講習会や研修講座の充実を図るとともに、商工会議所の各種検定試験の普及促進に努めたいと考えております。

 会員交流・ビジネスマッチング事業では、北陸三県にネットワークを広げた事前予約型商談会「とやまビジネスドラフト」を今年3月に富山市で開催し、富山・石川・福井の商工会議所、商工会の会員企業のビジネスチャンス拡大を図ってまいります。

 さらに、平成20年度より年4回、テーマを設けて開催している「会員ビジネス交流会」を同様に開催し、受注や販路拡大など顧客の発掘に寄与してまいります。

 当所に入会されて間もない会員の皆様には、「新入会員の集い」において商工会議所の各種サービス事業を紹介するとともに、新入会員の方々の相互の交流を促進するほか、昨年初めて行った「総務部長交流会」や今年新たに企画する「支店長等交流会」を開催して、会員相互の交流が一層深まるよう支援してまいります。

 平成26年度末までには北陸新幹線が金沢まで延伸・開業する予定ですが、富山―東京間は約2時間で結ばれることとなり、交流人口の大幅な増加により地域全体へ大きな変化をもたらすことが考えられます。当所は、昨年設置しました北陸新幹線・地域活性化特別委員会や分科会において、交通体系、まちづくり、産業基盤強化、観光についての諸課題を整理し、新幹線開業に向けた商工会議所ならではの事業に取り組んでまいります。さらに富山の顔となるJR富山駅周辺地区の整備促進や中心商店街地区の魅力と活力の創出等についても関係機関と連携し積極的に推進してまいりたいと思います。

 当所は、地域における環境の変化をチャンスと捉え、より元気で活力ある富山の創造に向けて、富山県・富山市をはじめ行政当局、関係団体とも連携を深めながら、会員の皆様と共に果敢に行動してまいりたいと考えておりますので、今後とも一層のご支援ご協力をお願い申し上げます。

 最後になりますが、新しい年が会員の皆様ならびに関係各位にとりまして希望に満ちた飛躍の年となりますことをお祈り申し上げまして、私の年頭の挨拶といたします。

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