会報「商工とやま」平成29年1月号

新年挨拶

年頭のごあいさつ

  富山市長   森 雅 志


 平成29年の年頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 日ごろ、富山商工会議所役員並びに会員の皆様方には、地域経済の振興や観光事業の推進などを通して、魅力ある地域社会づくりに多大なご尽力をいただいておりますことに対し、深く敬意と感謝の意を表します。

 さて、我が国の経済状況は、一億総活躍社会の実現に向け、「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」からなる「新・3本の矢」の一体的な推進によって、さらに景気回復への動きが確かなものとなることが期待されております。

 一方、地方自治体においては、本格的な人口減少社会の到来や急速な少子・超高齢化をはじめ、国際化や高度情報化の進展、地球規模での環境問題など、都市を取り巻く社会環境が大きく変化するなか、これからの諸課題に柔軟かつ的確に対応し、将来世代に責任が持てる持続可能な都市経営をしっかりと進めていくことが大変重要であると考えております。

 このことから、地方都市が今後も都市の魅力や活力を維持し、持続可能な地域社会を形成するためには、教育、文化、福祉など都市の総合力を高めながら、安定した雇用の場を確保するため、女性や高齢者が一層活躍できる社会の実現を目指すとともに、労働生産性のさらなる向上を図る必要があります。

 このような中、皆様方が、地域社会の中心的存在として「活力ある産業づくり、住みよく魅力あるまちづくり、心豊かな人づくり」に、一丸となって積極的に取り組まれておりますことは、誠に心強い限りです。

 とりわけ、地域経済を支える中小企業者の育成・支援はもちろんのこと、就労支援や公共交通を活かしたまちづくり、中心市街地の活性化の推進や富山の魅力を再発見し情報発信する観光事業など、幅広い分野でご協力いただいておりますことに改めて感謝申し上げます。

 市といたしましても、景気の動向を的確に見極めながら、地域経済の活性化に寄与する施策を推進する一方、富山市まち・ひと・しごと総合戦略や人口減少及び高齢化、インフラの老朽化などの課題に対応するレジリエント・シティの推進など、将来に希望をもつことのできる社会の実現を目指してまいります。

 また、昨年5月には、伊勢志摩サミットに先立ち、G7環境大臣会合が本市において開催され、成功裏に終えることができましたことは、本市及び市民にとって大きな喜びであるとともに、郷土に対する愛着や誇りを抱く「シビックプライド」を育む契機になったと確信しております。

 今後も、慢心することなく、教育や文化、福祉、医療などの各種事業を着実に進め、10年先、20年先を見据えた「魅力あるまち」、「選ばれるまち」の実現に向けて引き続き努めてまいりますので、皆様方には、より一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 終わりに、今年一年が明るい年となりますよう祈念いたしますとともに、富山商工会議所のますますのご発展と、木会頭をはじめ役員並びに会員の皆様方の一層のご健勝、ご活躍を心からお祈りいたしまして、新年のあいさつといたします。