会報「商工とやま」平成30年1月号

新年挨拶

年頭のごあいさつ

  富山市長   森 雅 志


 平成30年の年頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 日ごろから、富山商工会議所の会員の皆様方には、本市の商工業の振興や観光事業の推進に多大なご支援、ご協力を賜っておりますことに対し、深く敬意と感謝の意を表します。
 さて、我が国の経済状況は、雇用・所得環境の改善が続く中、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待されています。
 安倍内閣においては、一億総活躍社会の実現に向けて、「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」からなる「新・三本の矢」を引き続き一体的に推進することにより、アベノミクスが生み出した経済の好循環を一時的なものに終わらせることなく、地域や中小・小規模事業者も含めた経済の好循環となるよう、さらに拡大し、強固なものとしていくとしております。
 一方、地方自治体においては、本格的な人口減少社会と少子・超高齢化をはじめ、国際化や高度情報化の進展、地球規模での環境問題など、都市を取り巻く社会環境が大きく変化する中、これからの諸課題に柔軟かつ的確に対応し、将来世代に責任が持てる持続可能な都市経営をしっかりと進めていくことが大変重要であると考えております。
 このため、本市では、過度な自動車依存による公共交通の衰退や、市街地の低密度化などの課題に対応し、将来にわたって持続可能な都市を構築していくため、「公共交通を軸としたコンパクトな拠点集中型のコンパクトなまちづくり」を政策の基本に捉え、様々な施策を展開してまいりました。
 このうち、昨年4月に本市の中心市街地に開設した「富山市まちなか総合ケアセンター」では、全国で初めてとなる市直営による産後ケア施設や、お迎え型の病児保育室、訪問診療に特化した診療所などを設置し、様々なサービスの一元的かつ包括的な提供を始めたところです。
 このように、世代を問わず、暮らしやすい、住み続けたいと実感できるまちの実現に向け、各種施策を進めてきたところ、本市の人口は転入超過の傾向にあり、地価も引き続き上昇傾向にあるなど、その成果が着実に表れてきております。
 また、県内唯一の中核市である本市は、周辺の市町村と連携し、市域を超えた圏域全体の発展や魅力の一層の創造を図るため、「富山広域連携中枢都市圏」構想を推進することとし、「連携中枢都市」としての役割を積極的に果たしていく所存です。
 このような中、皆様方におかれましては、地域社会の中心的存在として、地域創生の一翼を担い、地域の持続的な成長を促進することを目的に各種事業に一丸となって積極的に取り組まれておりますことは、誠に心強い限りです。
 とりわけ、地域経済を支える地元中小・小規模企業の支援に向けた、ビジネスマッチング事業による販路開拓支援や人材育成及び雇用確保の支援、さらには、地方創生の推進に向けた、北陸新幹線を活かした地域活性化事業や「富山産業観光図鑑」を活用した産業観光・広域観光の推進など、幅広い分野でご尽力いただいておりますことに改めて感謝申し上げます。
 本市といたしましては、今後、時代の変化や社会の要請などを的確に見極めながら、地域の特性や魅力を高めるとともに、人口減少社会にあっても果敢にチャレンジし、将来にわたって成長する総合力の高いまちづくりを進めてまいる所存でありますので、本年も、より一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 終わりに、今年一年が明るい年となりますよう祈念いたしますとともに、富山商工会議所のますますのご発展と、木会頭をはじめ会員の皆様方の一層のご健勝、ご活躍を心からお祈りいたしまして、新年のあいさつといたします。