会報「商工とやま」平成30年10月号

特集2
「夢つなぐ 長寿のかがやき 富山から」
11月に県内全市町村でねんりんピック


 第31回全国健康福祉祭とやま大会(ねんりんピック富山2018)が11月3日から4日間、富山県で開催されます。同大会は60歳以上の方を中心に、あらゆる世代の人たちが楽しみ、交流を深めることができる健康と福祉の総合的な祭典です。大会テーマは「夢つなぐ?長寿のかがやき?富山から」。全国から訪れる参加者を温かく迎え、大会を円滑に運営するために準備を進める、県厚生部高齢福祉課ねんりんピック推進班主任の森田梨沙さんに伺いました。

ねんりんピックとは


 「ねんりんピック」は厚生省(現厚生労働省)の創立50周年を記念して1988年に第1回兵庫大会が開催され、以来、各都道府県・政令指定都市で毎年開催されています。富山県での開催は今年が初。まず、大会の概要を伺いました。

 「スポーツのみの大会と思われがちですが、開催される競技は将棋や俳句、健康マージャンといった文化種目もあり実に多彩です。富山大会では、史上最多となる27種目の競技が、県内全15市町村で開催されます」

 うち、富山市ではテニス、ソフトボール、ゴルフ、水泳、ボウリング、サッカー、太極拳の7種目が開かれます。また、カローリングとビーチボールは今大会で初めて開催される種目です。カローリングは氷上のスポーツ「カーリング」をフローリングなどでより手軽に行えるようにしたもので、ストーンの代わりに「ジェットローラー」と呼ばれる円盤を用います。

 ビーチボールは朝日町が発祥の地。ボールが柔らかいので指を痛める心配がなく、楽しく体を動かすことができます。いずれも気軽に始められるスポーツです。これを機にチャレンジしてみてはいかがでしょう。


全国から集まる1万人の選手団が富山で交流を深める


 ねんりんピックでは都道府県・政令指定都市ごとに選手団が結成され、参加者の数は約1万人に上ります。富山大会に出場する本県選手団は約700人で、全国最高齢となる94歳の選手を擁します。

 ねんりんピックは多くの競技で連続出場の制限が設けられています。そのため、毎年違う顔ぶれの選手が集い、広く交流を深めることができます。

 さらに、これほどの規模のイベントを支えるには、約1500人のボランティアスタッフをはじめとする裏方の存在が不可欠です。

 「ボランティアスタッフの募集にあたっては、県内の多くの学校や企業、団体にご参加、ご協力をいただいています。大会を機に、選手の皆さんとボランティアの方々との多くの出会いや交流が生まれることも期待しています」


誰でも気軽にイベントに参加を


 選手同士、選手と運営スタッフの交流だけにとどまらず、より幅広い対象に開かれた場であることも、ねんりんピックの特徴の一つ。

 「年齢にかかわらず、誰でも気軽に参加できるイベントをたくさん用意しています」

 多彩なイベントを総称した「きときと富山ねんりんフェスタ」は、富岩運河環水公園を中心とした7会場で開催されます。主なものをご紹介します。

 富山市総合体育館では、日々の健康づくりに意識を深めることができる催しが多数行われます。輪投げやスポーツ吹矢などが体験できる「ふれあいニュースポーツ」、健康づくりや食生活などに関する展示や体験ができる「健康フェア」、高齢者やその家族の日常の悩み事に対する「相談コーナー」、さまざまな介護・福祉機器を紹介する「健康福祉機器展」などです。

 また、体育館北側の親水広場では「ふれあい広場」と題し、富山ならではのグルメや物産の販売が行われるほか、お笑いや人気キャラクターショー、伝統芸能等のステージが楽しめます。

 とやま自遊館で開催される「地域文化伝承館」では、県内老人クラブ等による地域文化や郷土芸能の実演披露のほか、小物作り体験なども可能です。さらに、全国の60歳以上の美術愛好家による作品524点を集めた「美術展」が、富山県民会館で開催されます。

 そのほか、富山市芸術文化ホール(オーバード・ホール)において歌手の加藤登紀子さんをゲストに迎える音楽文化祭、俳優の高橋英樹さんを講師に迎える講演会も予定されています(事前申込または要当日券)。

 7会場に設けられたチェックポイントをめぐる景品つきのクイズ・スタンプラリーもあり、森田さんは「ぜひご家族やお友達といっしょにたくさんのイベント会場に足を運んでほしい」と話します。


富山の自然・グルメをPR


 期間中、県内外から、観客などを含め延べ50万人程度の参加が見込まれています。県外からの参加者には、大会前から来県したり大会後に滞在を伸ばしたりして、観光を楽しまれる方も少なくありません。

 「ユニフォーム姿の選手を見かけたら、歓迎の気持ちで接し、声援を送ってほしい。大切なのは『オール富山』の心でのおもてなしです。とにかく晴れてほしいですね。大会成功を願う気持ちはもちろんですが、来県者の方々に、せっかく訪れた富山を楽しんでいただきたいです」

 富山大会は11月。紅葉が美しく気候的にも過ごしやすい時期です。自然や食が楽しめるよいタイミングで、富山の魅力をPRするには絶好の機会といえるでしょう。県民挙げて来県者をおもてなしし、もう一度富山を訪れたいと思っていただけるよう、富山の良さを伝えられたらと思います。




ねんりんピック富山2018実行委員会事務局
(富山県厚生部高齢福祉課ねんりんピック推進班)
富山市丸の内1丁目8-17
新丸の内ビルディング4F
TEL:076・444・2176
HP


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