2022年 木工

グランプリ

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木(国産スギ)

約40×40×40㎝(5㎜程誤差あり)

①ナチュラル色・②鉄染め:各¥154,000

北田 浩次郎

キタダ コウジロウ

大阪府羽曳野市

2008〜2016年
工務店で住宅、社寺仏閣の新築改修工事にたずさわる
内装、家具工事も手掛ける
2017年
独立し大工、木工で活動を始める
2019年
mokuro設立
2022年
作家として活動を開始
個展など多数出展

宮大工をしていた経験から、独自の方法で一つの立方体の木の塊から削り出した作品です。材料は国産材の杉を使っています。今回はナチュラル色と鉄染めの2色を用意しました。作品の用途は特に決めていないので、家具やオブジェクトなど人それぞれの使い方を見つけてもらいたいと思います。

講評

空間の中で心地の良い木の気配を生み出す作品です。今年更新された審査要項の「クラフト観」に対しては、「人の手でコントロールしきれない自然物の個性に価値を産み出せるのがクラフトの魅力である」という考え方と、作家自身が宮大工で培った技術を見事に作品に取りいれた点が評価されました。もうひとつの審査要項である「更新された視点」に関しては、一見2つのパーツをつなぎ合わせたような造形でありながら、敢えて1つの木の塊から削り出すことで木目を生かし、オブジェのようでありながらスツールにもテーブルにも見える余白のある造形へのアプローチが素晴らしかったです。国産に多い杉材ですが、加工の難しさから活用が普及しない今日おいて、大胆且つ繊細に杉を扱ったことにも好感を持ちました。工芸の可能性を広げた、今年のグランプリにふさわしい作品だと思います。
(辰野しずか)