2025年 陶磁器

グランプリ

練上ball rainbow・prism

オブジェ

磁器土

①:φ8.5×7.7㎝、②:φ8.3×7.5㎝

①reinbow・②prism:各¥33,000

2点セット:¥66,000

佐藤 愛子

サトウ アイコ

愛知県瀬戸市

https://studiokai.stores.jp/

略歴

1980年
埼玉県生まれ
2006年
沖縄県立芸術大学大学院陶磁器専修修了
2011年
愛知県瀬戸市に「工房 楷」を設立

瀬戸・藤四郎トリエンナーレ(’13,’16,’25)や日本クラフト展(’15)などに入選。テーブルウェアフェスティバル2014では経済産業大臣賞を受賞。色の異なる粘土を組み合わせて模様を生み出す練上技法を用い、日常に寄り添う作品を制作しています。

作品について

鮮やかな球体は青空に浮かぶ虹を、淡いグラデーションの球体は曇りガラスに射す光が生む虹を映しています。同じ虹色でも異なる景色をそっと閉じ込め、手のひらにおさまる小さなオブジェに仕立てました。用途は自由。テーブルに置けば、移ろう日々にふと光を落とし、小さな彩りをそっと添えてくれます。

講評

2025年・・・モノもコトも溢れている時代に、クラフトが社会(人)に出来ることは何でしょうか? 今回は、その答えを探しながら、審査に挑みました。食器、家具、オブジェなど人の暮らしを、センス良く満足させるものは、もはや何処でも求めることができます。ではいったい私たち作り手が、手を動かし、時間とエネルギーを費やし何故作るのでしょうか? 例えば市井で簡単に手に入るモノと、いったい何が違うのでしょうか? 何かが優れていなくては、クラフトは必要ではなくなってしまうでしょう。その何かを私は「愛」という仮説を立てています。人に対して熱意や気持ちを込めて対峙していくこと、この大賞作品からは、そんな健やかさを感じました。作家自身も心から楽しんで作ったのではないでしょうか? そのせいか、手に取る者をも楽しませてくれ、人を癒す力があります。長く暮らしの中に置き、必要とされ、好まれる価値があると感じました。一点を作るのに費やした時間やエネルギー、技術力は、もとより、作家は、作品の向こうにもやはり「人」がいるということを無意識に身につけており、作品との距離感や手放し方にも潔さを感じています。

(辻 和美)

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