会報「商工とやま」平成21年2・3月号

特集T
デジタルの世界も熱意・信念・根気で闘う!
〜売れるホームページを作ろう〜


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成功の秘訣


 Eコマースで成功しているホームページの共通点を集めてみました。

 それが、次の5つのポイントです。成功していないホームページでは、必ずこの5つのポイントのうち、どれかが欠けています。「全部揃ったから必ず成功する」とは言えませんが、「欠けていたら成功しない」と言い切ることができます。

 では、順に解説しましょう。

(1)強みがある


 言うまでもなく、これは絶対条件です。強みとは、他者と差別化できる独自性です。これがなければ話になりません。

 もし独自性がなければ、価格勝負になります。電気製品等がその顕著な例です。インターネット上には『価格ドットコム』等の、商品毎に価格比較が出来る専用サイト(ホームページ)があります。取扱商品に差がない場合、顧客は1円でも安く購入するために、このようなサイトで販売店を探します。

 そうなるとメリットであったはずの「商圏の拡大」は、逆にデメリットになってしまいます。日本国中が商圏になったということは、日本国中にライバルがいるということです。他に勝る強みが必要であることは自明の理というものです。

 では、独自性にはどんなものがあるでしょうか。

 1つは、希少性です。他では扱っていないものを扱っていると強みになります。「どこにも売ってない」とか「ウチでしか作れない」商品・技術がある場合は、大きなアドバンテージとなります。例えば、1点ものを得意とするネジ工場では、企業や大学の研究所からの注文が後を絶たないそうです。「2個は要らない。1個でいいが、このネジを作ってくれる工場がない」。そんなニーズにも応えて大きな利益を出している企業もあります。

 2つめは、品質です。他社よりも高い品質の商品や技術は、「高付加価値商品」として高単価高利益で販売できます。例えば、「出荷日未定。受注順に順番が来たら出荷します」、しかも値段が市価の倍以上もするのに、予約が一杯になる食品もあります。

 3つめは、スピードです。通常1週間かかるところを「ウチは3日で納品」できれば、需要は格段に増えます。例えば『アマゾンドットコム』がそうですね。書店で専門書等を取り寄せ注文すると1〜2週間待ちが普通ですが、『アマゾンドットコム』なら大概2日後に届きます。しかも配送料が不要(一定金額以上の場合)となれば、売れるのも当たり前です。

 これら3つの強みを正しくアピールするためには、情報を惜しげなく公開することが重要です。平たく言えば、持っている知識、経験、技術をどんどん公開しなさいということです。例えば、誰もが知る一流メーカーのブランド品であれば、品質がある程度推し量れるので顧客は安心して注文します。しかし、そうでない商品はどうするか? インターネットの場合、顧客はホームページの情報量で信頼度を量ります。知識、経験、技術を公開すればするほど、安心できると判断してもらえます。
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   「そんなことしたら、ウチのノウハウが流失するじゃないか!」。ご心配はごもっともです。しかし、インターネットの世界では、知識、経験、技術を公開できるのは「更にその先を行く自信があるから」と好意的に解釈されます。逆に、こんなことも公開できないのは自信がないか、隠蔽や偽装等があるのではないかと不安を与えてしまうようでは、そもそも売上は上がりません。

 商品情報の公開に関する考え方は通常の仕事の場合とは異なりますので、頭を入れ替えて対処する必要があります。


(2)リアルへの誘引


 手にとって見ないと安心できない商品を扱っている場合には特に、インターネット専業でビジネスをすることは勇気のいることです。このため、リアルへの誘引を考える必要もあります。既に実店舗があれば誘引することも1つの重要な策です。

 昨今は、消費者同士がお店や商品の情報交換や評価をする「口コミサイト」と呼ばれるサイトがあります。こういったサイトで良い評価を受ければ安心材料になり、実店舗の売上が伸びるということもよく起きていますから、「口コミサイト」での評価が大きな力となる場合があります。

 なお、リアルへの誘引は、商品によって不要な場合もあります。


(3)SEO対策


 SEOとは、『検索エンジン最適化』と訳します。どんな英語の略か興味のある方は『SEOとは』で検索してください。

 SEO対策とは、自社のホームページが検索エンジン(『グーグル』や『ヤフー』等)で上位に表示されるように工夫をすることです。

 検索エンジンの検索結果として表示される順位は無作為ではなく、いくつかの項目で審査された順位に従って表示されています。詳細な審査項目は公表されていませんので、いろいろ試行錯誤しながら順位を上げて行くのが一般的です。上位に表示されるホームページは、一口に言ってしまえば「より世間に有用と思われるページ」で、自社のホームページをブラッシュアップして、世間に有用と認めてもらう作業をSEO対策といいます。ここで言う「世間に有用な」という基準は、あくまでも検索エンジン独自のものですから、自分の価値観にこだわりすぎると、一向に順位が上がらないこともあります。

 インターネットで商売をしようという方には必須テクニックですので、せめて1冊くらいは本を買って実行してみてください。検索結果の1ページ目に表示できれば上級者、せめて2ページ目までには表示させたいですね。

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