会報「商工とやま」平成21年2・3月号

特集T
デジタルの世界も熱意・信念・根気で闘う!
〜売れるホームページを作ろう〜


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(4)ホームページへ呼び込む仕掛け


 実は、検索エンジンで上位に表示されるだけでは、まだ十分ではありません。ただひたすら検索されるのを待っているような消極的な気持ちでは、商売はできませんよね。こちらからも積極的に仕掛けましょう。

 自社のホームページへ呼び込む仕掛けとして一番ポピュラーな方法は、「メーリングリスト」です。何らかのきっかけでアクセスしてもらった顧客からメールアドレスを聞いて、電子メールで定期的に情報発信していきます。顧客とかかわりを持てたとしても、すぐに逃げられてしまうのがインターネットの世界です。日々、新しい商品、サービスが次々に登場する世界ですから当然ですね。購入者はもちろん、問合せ段階の顧客もこの方法でつなぎとめます。

 また、メールアドレスを効率よく集める手段として、「プレゼント企画」があります。応募してもらうことでメールアドレスを集め、その応募者をメーリングリストに組み込み、見込み客にするのです。「メーリングリストの確保アドレス数が売上を左右する」とも言われるほど重要なことです。


(5)頻繁な更新


 ホームページは一度アクセスしてもらったらおしまい、ではありません。リピーターとして何度もアクセスしてもらい、購入してもらえなければ事業が成り立ちません。

 久し振りにアクセスして、もし掲載内容が更新されず同じ内容だったら、その人は二度と見ようとは思いません。ホームページで魅力ある企業であることをアピールするためにも、常に新しい情報を掲載する必要があります。

 そういった観点から、最近は「ブログ」を開設して、自社ホームページとリンクさせておくケースが増えています。「ブログ」もインターネットサイトの一種ですが、ホームページに比べて更新が容易で、特別な技術もソフトも必要がありません。ちょっとした空き時間に携帯電話からでも更新できる手軽さがウリです。携帯メールを打てる方なら誰でも更新できます。

 また、(3)で説明したSEO対策の面でも、更新頻度は重要なポイントとなります。少量ずつでも構わないので、根気よくコツコツと更新していくことが大事です。


熱意・信念・根気で思いを注ぐ


 成功しているホームページには以上5つの共通点があるというわけです。しかし、これに勝るとも劣らないポイントが、実はもう1つあります。デジタルな話に超アナログ的ですが、熱意と信念、そして根気は冗談抜きに重要なのです。
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   Eコマースで成功する全国のいろいろな経営者の方とお会いしますが、皆さん例外なく熱い方々です。「絶対成功させるんだ」という熱意、「世に受け入れられる商品だ」という信念、そして「諦めない」根気。この3つが揃わないと「売れるホームページ」を作ることはできません。

 とあるサイトのオーナーの言葉です。

 「初年度の売上は、たった数十万円でした。くやしくて涙を流したことも、挫折しそうになったことも何度もありました。売上が1千万を超えたのは、ようやく3年目。このとき初めて我慢強くやってきて良かったと思いました」。

 同社の売上は図1のように推移し、今では年商1億円が見えてきました。

 SEOしかり、メーリングリストの保有数しかり、一朝一夕で効果が出るものではありませんが、根気よく、努力を続けていくことが必要です。そして、その原動力が熱意と信念ではないでしょうか。会社に経営理念やビジョンが必要なように、ホームページにも経営者の思いを注いでいくことが大事ですね。


注意したいこと


 さて、ここからは注意すべき点を記します。

(1)Eコマースの世界を知りましょう


 インターネットを介した商取引であるEコマースの世界では、皆さんがこれまで経験されてきたものとは異なる価値観が存在します。ホームページを使って売上を見込むなら、この価値観の違いを認め、受け入れることが重要です。

 特筆すべき点は、前述の熱意と信念の部分で、再度力説したいところです。よくあることなのですが、ホームページを社員に任せ切りしておいて、打ち出の小槌のごとく簡単に考えている経営者がいらっしゃいます。これでは、成功はおぼつきません。経営トップの方々がこの熱意と信念をお持ちであることは必要不可欠です。

 Eコマースにおいては、企業規模や売上高、沿革等はあまり大きな要素とはなりません。もちろん、企業間取引ではこの要素も加味されますが、一般消費者相手の取引では、ホームページから感じ取れる熱意や信念といった人間性が大きな評価基準となります。規模は小さくてもエネルギーを注げば評価を受けることも可能ですし、逆に経営トップの関心が薄ければ、熱意や信念のあるライバルには太刀打ちできません。一般消費者相手をお考えなら、このことは絶対に忘れないでください。
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