会報「商工とやま」平成21年2・3月号

特集T
デジタルの世界も熱意・信念・根気で闘う!
〜売れるホームページを作ろう〜


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(2)決済方法を考えましょう


 Eコマースでは面識のない相手と商取引をするわけですから、代金の決済には注意する必要があります。

 こちら側の立場からすれば、信用できないので前金で欲しいところですが、それは相手側も同様です。前金を要求すれば、二の足を踏まれる可能性があります。有名なパソコンメーカーでは前金制をとっていますが、これは例外です。有名企業であることで買う側の不安が少ないのですから普通はマネができません。かと言って、やはり後金では恐い。

 昔ながらの銀行振込や現金書留による決済は、個人にとっては利便性が悪く、最近では嫌われる傾向にあります。また、この方法では必ず前金か後金になり、売り手か買い手のどちらかが必ずリスクを背負わなければなりません。

 この問題を解決するには、クレジットカードや電子マネー(現金の代わりにインターネット上やICカードを利用して決済すること)を使って第三者決済をする方法と、エスクローサービス(第三者による商品・代金の受け渡しの仲介サービス)や代引きを利用する方法があります。

 クレジットカードや電子マネーを使った決済は、売り手にとっては後金ですが買い手にとっては前金で、売り手の回収不能のリスクが減ります。また、買い手にとっても第三者が決済に介入することで最低限の安心が得られます。但し、売り手にとっては、入金までに時間がかかることと、決済会社の手数料がかかるデメリットもあります。

 宅配便会社等が取扱うエスクローサービスや代引きは、料金の支払いと商品の引渡しが交換なので、双方のリスクは解消されることから今のEコマース取引の主流となっています。この場合も別途手数料が発生しますが、この手数料は買い手負担としている場合が多いようです。同業や類似業種・業態の企業がどんな方法を採用しているか、インターネット上を見て回るとよいでしょう。
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(3)法律を知りましょう


 ホームページを介した商売は、特定商取引法の規制を受けます。特定商取引法はホームページにおける必須記載事項等も定めていますので、経営者として知っておく必要があります。『特定商取引法』でネット検索してみると、必要な情報が手に入るでしょう。

 また、関連する法律として、個人情報保護法、電子消費者契約法、景品表示法、著作権法等がありますし、取扱商品によっては実営業と同じ許認可等も必要になる場合があります。

 特に、個人情報保護法は注意する必要があります。ホームページ上で事業を行う場合、顧客リストは非常に重要ですが、個人情報を保有する責任とリスクは強く認識しておかなければなりません。個人情報を漏洩させればお客様に迷惑をかけ、信用が失墜するばかりではなく、多額の損害賠償が発生します。

 ホームページを閲覧している人には、こういった法律に詳しい人や敏感な人が多く存在します。法律の定めに従っていないサイトは、瞬く間にネット上の口コミで悪評が広がってしまいます。くれぐれも法令順守を心がけてください。


良いホームページはノウハウの宝庫


 最後にインターネット上で高い評価を得ている県内企業をご紹介します。ぜひ一度ご覧になってみてください。いずれも、ノウハウの宝庫で参考になることが一杯あります。「ここまでせんにゃならんがか?」ということが見つかれば、それは全てノウハウです。心血注ぎ込んだ努力の跡をインターネットの世界は評価しています。
 自社のホームページを新たに作る場合も、既にある場合も、たかがホームページと思わず、戦略と熱意を持って取り組みましょう。

 さあ、「売れるホームページ」へ一歩踏み出してみませんか。







*この記事は、中部経済産業局から委託された地域力連携拠点事業の一部として掲載しました。


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●筆者紹介
 ISK有限会社取締役(富山商工会議所地域力連携拠点登録専門家)  梶野 達也 氏
 ITコーディネーター、CALS/ECインストラクターとして中小企業の経営戦略の策定及び経営改革(業務改革・人事組織)また経営戦略に沿った情報化のコンサルティング及び最適資源のコーディネートを行うとともに、セミナー講師等としても活躍中。
URL http://isk-web.jp
ブログ http://blog.livedoor.jp/aah30880/

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